『イニシエーション・ラブ』は、普通に読むと、1970年代末から80年代の前半にかけて、よくあった男女間の恋愛話です。私なんかは正直、懐かしい感じでした。
まさにその時代、『イニシエーション・ラブ』の登場人物たちのように、私はいくつかの恋愛を経験していました。
しかし、本書を単なる恋愛話と読んだのでは、全く面白みがないのです。ネタバレになるので、詳しくは記述しませんが、『イニシエーション・ラブ』の面白さは、そこだけではないのです。本書を最後まで読むと、妙な違和感があるのです。「あれっ、何だ今のは……」。あるいは「ええっ、そういうことだったのか!!」とビックリさせられるのです。
ここの記事には、『イニシエーション・ラブ』のアマゾンのリンクを掲載していますが、そこでの評価はそれほど高くありません。が、低い評価をした人は、この小説の構造に気がついていないのではないか、と思えるほどです。
『イニシエーション・ラブ』の小説に関するサイトがあるくらいです。が、これらのサイトに行って謎を解くのは、小説を全部読み終わって、自分なりの感想を抱いてからがいいと思います。
私の評価
☆4つ
☆☆☆☆★
イニシエーション・ラブ (文春文庫)
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